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1..
俺は「麻美ゆま」のサイン会に行ったことがある。

7年ほど前のことだろうか。
今夜はその時のことをお話しようと思う。


Hカップから繰り出される圧倒的なパイズリに何度お世話になっただろう。
エロDVD専門店に麻美ゆまがやってくるという情報をつかんだ俺は、その日から妄想が止まらなかった。

握手の最中にどんなことを話そうか。
そのことで頭がいっぱいだった。

ひょっとしたらおっぱいを見せてくれるかもしれないし、触らせてくれるかもしれない。
見えない場所へと誘われてジュッポジュッポ咥えこんで(フェラして)くれるかもしれない。
そんなことまで考えた。




13..
有名人のサイン会など参加したことがなかったので、ひどく不安でもあった。
知り合いに出くわしたら気まずいなあとか、メディアに写真を掲載されないかなあ等々。心配は尽きない。

サイン会の前夜。
俺は麻美ゆまのAVを見ながらコンセントレーションを高めた。

そして当日。
開始時刻をやや過ぎた頃に会場へ到着。そこはすでに麻美ゆまファンでごった返していた。
ハゲたおっさん、DQN風な男、カネはないけどAVにめちゃくちゃ投資してそうな大学生。
せまい店内に70名ほどの猛者がひしめいていた。
同族嫌悪のようなものを感じつつ、緊張しながら麻美ゆまの登場を待った。




23..
ほどなくしてヤクザ風のマネージャーがマイクを持って登壇。
「大きな拍手でお迎えください」と声を張る。

拍手に迎え入れられるかたちで麻美ゆまの登場である。

ナマで目にする彼女はとてつもないオーラを放っていた。
映像で見るよりも数十倍はキレイで、芸能人にも似た華やかさに満ちているのだ。
この人がチンコくわえてアンアン喘いでることなど想像できないほどのまばゆい笑みを振りまいていた。

(ああ女神だ…。なんて素晴らしい人柄なんだ)
気持ちの悪いおっさんにも笑顔で神対応する麻美ゆまに骨抜き状態だった。




29..
しかしここで俺の心にあせりの色が見え始める。
順番待ちではうつ向いてばかりだったおっさんや、人生に絶望しきった表情の大学生。
そんな彼らが麻美ゆまと対峙した瞬間、こいつらエンターテイナーなのか?と思うほどの勢いで饒舌なトークを展開し始めたのだ。

それだけではない。
何度もサイン会に足を運んだであろうファンが「今日も来ちゃったよ」などと親しげに会話している。

俺はショックを受けた。
顔面レベルでいえばコイツらよりはマシだという自負はあったし、服装にだって気を遣っていた。
会場に向かう車中ではこんなことさえ思っていた。

(ゆまちん、俺のこと見て安心するかもな。キモいおっさんの中にまともな青年がいるんだから)




38..
しかし今となっては、ハゲちらかしたコアファンのほうが彼女を魅了しているのだ。
この事実にはおおいに動揺させられた。

ライトファンの俺は作品を語れるだけの知識もないし、殻をやぶって道化に徹するハートも持ち合わせてはいない。
この場における存在の優位性でいえば、まちがいなく『きもいおっさん>きもい俺』である。

くわえて俺は、人前ではアガってしまい声がふるえるほどの小心者だ。
いろいろな考えが頭のなかをグルグルするうちに、列に並ぶことが怖くなってしまった。
くちびるがプルプルと震えてきたような気もする。




43..
7年前だとまだ20代か



44..
その大学生俺かも



46..
そこへきて、マネージャーの声が響き渡った。

「サイン会に参加される方!残り2分で締め切りますので列にお並びくださーい」

ハッとして見渡すと、ほとんどのひとが握手をおえていた。
並ぶでもなく並ばないでもない、微妙な位置取りをしていた俺に決断がせまられる。

数メートル先にはAVクイーンの麻美ゆま。
極上のパイズリ見つめフェラで飛距離90cmをマークさせてくれた麻美ゆま。

ナマで触れるチャンスなどこれを逃せば最後だろう。

「はーいそろそろ締め切りますよー!」

(いけ…っ!並ぶんだ、俺!!)

「はーい、じゃあココで終了でーす」




53..
>>1の文章の臨場感が中々良い。
現場のイカ臭い空気が伝わってくるw




51..
別のAV女優のサイン会に行ったことあるけど、対面したら何を話すか忘れて、「いつもお世話になってます」って言ったらすごい笑われた思い出。



59..
麻美ゆまへと続く列のなかに、俺の姿はなかった。
サイン会など知らなかったかのように中古DVDを物色する俺がそこにいた。
しかも麻美ゆまどころかデカパイモノですらない、無名の企画DVDだ。

(何しに来たんだよオレ…)
敗北感に押しつぶされそうな俺の後ろを、暇をもてあました関係者のひとりが通り過ぎる。

俺「あ、あの!」
男「え?」
俺「サイン会ってもう締め切ったんですよね?」
男「ええ」
俺「今から並んでも遅いですよね?」
男「あ~、そりゃあ遅いよね(笑)」
俺「ですよね、ははは(笑)」

なんとも間抜けな会話をしてしまった俺は、そそくさとエロDVDを手にとりレジへ向かう。

店員「5点で9,900円になります」

怒涛のエロDVD5点買いである。
せっかく専門店に来たのだから、買うべきものは買っておかなければいけない。
己の不甲斐なさからくる衝動的大量購入が、さらに俺のこころを虚しくさせた。




62..
ダメじゃねえか



63..
悲しくなってきた



74..
傷心したまま家路につく。

部屋にもどったルーザーの俺を、つけっぱなしの27インチモニタが迎えてくれた。
笑顔でパイズリする麻美ゆまの姿が一時停止で映し出されている。

18時間前に俺がハアハア言いながら遺伝子を送り込まんとしていた彼女の笑顔が、今は痛い。

ウィンドウを閉じ、買ってきたばかりのDVDを入れて再生する。
5枚のDVDを連続してハイライト再生し終える頃には、息子も俺もすこぶる元気だった。

別なオンナが興奮をかき立て、俺はすぐさま発射した。




77..
泣いた..



81..
それから7年。
「成瀬心美」や「絵色千佳」、「瑠川リナ」といった王道をわたり歩いた俺がゆまちんに回帰することはついになかった。

2013年6月6日。
麻美ゆまはtwitter上で自身の病気を告白する(卵巣境界悪性腫瘍)。

そして2014年同日。
がん知識の啓発を目的としたライブイベントに出演。翌日にはリリーフランキーとの対談がヤフーに掲載された。

ふと、サイン会の参加にはDVDの購入が必要だったことを思い出す。
俺はAmazonにアクセスした。




83..
なにこの壮大な話w



84..
Amazonで麻美ゆまを検索すると、発売されたばかりの自叙伝がトップに表示された。
6件のカスタマーレビューはそのすべてが星5つをつけている。

★★★★★ 『読後感が清々しく、とても爽やかな一冊です』
★★★★★ 『プロとしての姿勢、意気を感じさせる人はカッコいい』
★★★★★ 『爽やかな5月の薫風』
★★★★★ 『ますます好きになった』
★★★★★ 『逆に励まされる』
★★★★★ 『ゆまちゃん マイペースでね』

サイン会場で見たコアなおっさんたちの姿が思い浮かぶ。
饒舌なおっさんどもは、ここでもエンターテイナーっぷりをいかんなく発揮していたのだ。

あの日の記憶が思い浮かぶ。
つかの間の会話をたのしむおっさんとゆまちんの顔は、ともに喜びを分け合うように幸せをたたえていた。
俺はサイン会参加特典のために買いそびれたDVDの罪滅ぼしにと言い訳して、この本をカートに入れた。




90..
自叙伝とか出してんのか



91..
数メートルの距離まで接近しながら、感想のひとつも伝えることができなかった7年前の冬。
イカ臭いDVDショップで見た麻美ゆまは、実際の身長よりも大きく見えるほどのオーラと自信に満ちていた。

この7年で彼女を取り巻くはおおきく変化してしまった。
けれど闘病を続ける彼女はあいかわらずポジティブで、写真で見せる笑顔はあの時とまったく変わらないものだった。

注文した自叙伝を読み終えたら、その感想を手紙で伝えてみようと思う。
あの日掛けることができなかった応援のことばと、私的ベスト3長編レビューを書き添えて。




94..
以上、麻美ゆまのサイン会に行ったときのお話でした。
今のAVに比べれば画質や作りの古さを感じるものの、唯一無二のエロさがありました。

「蒼井そら」、「柚木ティナ」、「吉沢明歩」、「板垣あずさ」…。
あのとき一線級で活躍した女優を思い出すと、なぜだかそのときの記憶までよみがえる。

たかがAV女優、されどAV女優って感じです。
ぼくらのエロを支えてくれる彼女たちに感謝ですね、ってことでお付き合いありがとうございました。



97..
>>1




107..
乙!



101..
( ;∀;)イイハナシダッタナー



120..
梅雨にピッタリの( ;∀;)イイハナシダナー



108..
映画化決定だな



113..
おつ!
今はいくらでも可愛い子いるけど、麻美ゆまくらい目立った存在感もった子はなかなか居ないよな




115..
なんか読んでてすごくドキドキした



121..
いい話だった



124..
結構感動した



126..
読みやすい文章だったな



127..
>>1の文才に拍手



133..
ゆまちんと>>1に幸あれ!